グレートバリアリーフ 

    
 
 


 グレートバリアリーフでシュノーケリング
 とは、私は勝手に、
 沖にちょっと浅瀬のポイントがあり、
 そこでちゃぷちゃぷして遊ぶ、
 と思っていました。

 ところがもちろん、
 そんな甘っちょろいところではなく、
 はるか沖の、かなり深いポイントで、
 船はエンジンを止めました。

 「40分間、あそんで来てくださ〜い。」
 「手を大きく振ったら、助けにいきま〜す。」
 「珊瑚が傷つくので、珊瑚の上に立ったらダメですよ〜。」
 てなことを英語で言いました。

 ダイバーたちは、順番に海の中に入っていきます。
 友人Mも、私を置いて、入っていきます。
 誰も、私の手を引いてはくれません。
 ひとりで入るっきゃありません。

 ちゃぽん
 と、おそるおそる、その深い海に沈みました。
 するとそこは、お魚さんと珊瑚の竜宮城でした。
 水はとても冷たく、澄んでいます。

 泳がなくてもいいのに、なぜか私は、
 足ひれをひらひらさせて、
 必死こいて、前へ前へと進んでしまいます。
 シュノーケルをしていても、息は全く苦しくありません。
 ゴーグルに水も入って来ません。

 ふと、友人Mのことを思い出し、顔を上げると、
 友人Mは、はるか向こうにいました。
 私は、友人Mのほうに向かって泳ぎました。
 ところが何度顔を上げても、友人Mには全く近づきません。

 もう友人Mのことはあきらめ、1人で泳ぎました。
 どこまで泳いでも、珊瑚は壮大で、
 大小さまざまな魚が、ちょろちょろしています。

 なんちゅう美しい海の世界!
 今まで知りませんでした。
 海中3D、初体験です。

 シュノーケリング、全然安全です。
 意外にラクなアソビです。
 わが人生、もっと早くこれを習得すべきでした。

 あっというまに40分経ち、
 無事に船に回収されました。
 身体は冷えきって、がたがた震えました。

 ほんと、楽しかった。大満足です。
 沖縄でも大島でも、石垣でも、
 シュノーケリングしとけば良かった。
 後悔です。
 これからは、もっともっと南の島に行って、
 生きてる間は、何度も何度もシュノーケリングしますよ。

 この、シュノーケリング40分間は、
 うちらのケアンズ旅行のクライマックスでした。
 人生何事も、やっぱプレッシャーが大きいほど、
 達成感も大きいですよ。

 これがなければ、ケアンズ旅行も、
 平凡な英語圏旅行になっていたでしょう。

 まあそんなわけで、
 うちらは大満足で、この旅行を終えたのでした。

 ケアンズ紀行は、これでおしまいです。
 ここまでおつきあいくださり、ありがとうございました。                  =おしまい=


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